『巷仔口食堂』は、私が開発したゲームだ。ここでは遊び方と、経営が登場人物にどうつながるかを紹介したい。

舞台は1978年の台湾南部。台北から故郷へ戻った主人公は、おばあちゃんが半年前に閉めた春風食堂を再開する。朝は仕入れ、昼は献立と人員を考え、夜は帳簿を締めてまかないを食べる。店の外は架空の新港仔街。道路の向かいの金龍大飯店は、やがて競争相手になる。

『便利商店』『夢幻西餐廳』『中華一番客棧』のような店舗経営ゲームを知っていれば、開店、仕入れ、来客の循環はなじみやすいだろう。本作はそこへ近所の暮らしをつなぐ。同じ料理でも、天気、設備、食べに来る人によって扱いが変わる。

以下の八枚は公式ゲーム画面で、開くと元の大きさで見られる。店内、人員、数値は複数の展示用セーブに基づき、全てが五日間の体験版の進行ではなく、攻略の正解を示すものでもない。

明日の献立は、今日から考える

市場では売り場ごとに買うことも、おばあちゃんの買い物リストに沿って補充することもできる。リストは今日のおすすめや来客条件で変わる見積もりだ。買いそろえる操作は省けても、売り切れる保証まではしない。

ピクセルアートの市場。赤れんがの壁に沿って豚肉、野菜、魚介、米や麺の売り場が並び、店主が品物の後ろに立つ。買い物かごを持つ人々が水たまりのある通路を歩いている。
市場には食材ごとの売り場がある。慣れたら買い物リストで補充する近道も使える。

生鮮品は一晩で傷む。多く買うと現金が在庫にとどまり、少なければ早く売り切れる。新しい料理には設備も必要で、緑豆スープには二枚扉の冷蔵庫、タウナギの麺料理にはガスの炒め用コンロが要る。夏に緑豆スープを増やしたいとすれば、冷蔵庫の費用、残る仕入れ資金、季節が過ぎた後の扱いまで考えることになる。

献立は解放済み料理の一覧だけではない。営業中も価格、数量制限、今日のおすすめを変えられ、すでに入った注文は元の価格で計算する。高い値付けは入店判断に影響する。同じ料理に販売が偏ると飽きも生じるが、常連の好物には例外がある。

ゲームの献立画面。ルーローハン、肉団子スープ、麺料理などに、食材の在庫、価格、おすすめ、販売数の上限が並ぶ。
在庫、価格、数量、おすすめが一つの献立に並ぶ。おすすめを変えると仕入れの見積もりも変わる。

経営の深さは、この連動から紹介したい。料理を覚えてから、いつ、いくらで、何食用意するかが始まる。ルーローハンやサバヒーのお粥は、図鑑を埋める以上の役割を持つ。

テーブル一つにも、続く仕事がある

厨房、席、接客が同じ画面に見える。満席はうれしく見えても、長く待たされている人がいるかもしれない。調理、配膳、片づけはつながっており、席を増やすだけでは商売を増やせない。

昼の春風食堂。複数のテーブルにお客さんが座り、左の厨房では調理が進み、仲間が器を運んでいる。騎楼や隣の店にも人の姿がある。
厨房と客席を同時に見られる。席と人員は展示用に進めた状態。

仲間には接客、片づけ、厨房補助、配達を割り当て、働くと体力を使う。体験版より先へ進むと疲労による遅れや失敗もあり、五日間で経営上の負担を全て見たとは言えない。

拡張すると課題も移る。席に厨房が追いつくか。配達中は誰が店内を片づけるか。設備購入より分担の変更が効く場合もあり、その日の詰まり方を見て考える。

天気と向かいの店が、仕込みを変える

春風の近くには薬局、理髪店、写真館、バイク店がある。金龍がビジネスランチ、冷房、那卡西の音楽の夜を打ち出すと、お客さんが向こうへ行くこともある。チラシや煮卵のサービスを考えてもよいし、目の前の接客を整えてもよい。

見下ろし型のピクセルアートの街並み。春風食堂の隣には薬局や理髪店があり、騎楼を人が歩き、道路の向かいには金龍大飯店が建つ。
春風、近所の店、金龍が新港仔街を共有する。人物、店、街名は架空の設定。

雨は景色だけを変えない。仕入れリストの予想来客数に反映され、季節は料理の需要にも関わる。外の雨を見て今日の量を考えることで、街と店の画面が経営上の判断でつながる。

雨の新港仔街。傘を差した人々が歩き、春風食堂の前をバスが通る。ぬれた道路には春風と金龍の赤い看板が映っている。
雨の街並みは、開店前の来客見積もりにもつながる。

常連から生まれる親しみもある。運転手の阿雄はルーローハンが好きで、理髪店の陳師は担仔麺を食べに来る。阿雄は運転手としての暮らしや、自分のタクシー営業用ナンバーを持つための貯金について少しずつ話す。人物紹介を最初に読み切るのでなく、来訪のたびに話が続く。

誰の好物かを知ると、販売をやめる判断にも顔が浮かぶ。常連の反応が人と献立を結び、経営画面の横に物語だけを置く構成とは違う関係ができる。このつながりを紹介したいのは、同じ時代の記憶がなくても、何度も来る人を覚えていけるからだ。

閉店して、一日を振り返る

帳簿には収入、支出、傷んだ食材、客の反応が並ぶ。利益が出ても長く待って帰った客がいたなら、翌日は価格より分担や調理を直す必要があるかもしれない。おばあちゃんの助言と帳簿が、今日の結果を明日の準備へつなぐ。

25日目の閉店報告。おばあちゃんの助言、利益、来客数、評判、手持ち金額の下に、収入と支出、金龍との来客数比較、その日の出来事が並んでいる。
五日間の体験版より先、25日目の展示用帳簿。利益とともに来客や出来事も見られる。

まかないの後には仲間の別の面が見える。阿惠は歌を習いたくて、阿明師には家族の話がある。昼の職種がその人の全てではない。ただ、知るには時間も必要だ。

夜の行動は二つの提灯で表される。会話、料理の練習、廟への散歩に一つずつ使い、一晩に二回まで。誰と話すか、何を練習するかも配分になる。その日の出来事は日記にも残る。

夜の春風食堂で、仲間がつり下げ照明の下のテーブルを囲んで食事をしている。ほかの席は空き、外の通りも静かになっている。
閉店後のまかない。この後の会話、練習、散歩で一晩二回の行動を使う。

人物関係を経営につなぐと、会話を報酬のチェックリストにしてしまう可能性もある。作品紹介でも、この悩ましさも伝えておきたい。街の人をゆっくり知るには、似たように見える日が続くことも受け入れる必要がある。

続けられるが、失敗の後始末は残る

資金繰りが悪くなっても即Game Overにはならず、再び開店する道がある。ただし借金や未払い、小さくした献立は後に影響する。台風、停電、地元の組織や店の破壊も物語に含まれ、暖かい色のピクセルだからといって、いつも気楽に遊べるわけではない。

繰り返す営業には疲れもあり得る。市場のまとめ買い、案内、選べる経営ペースが反復の負担を調整する。このゲームは、似た日常の中で少しずつ段取りを考え、人を知ることに付き合える人に向いている。景色だけを眺めたい人には、全ての経営要求が合うとは限らない。

食堂を背景にした日めくり。民国67年11月17日金曜日、旧暦の日付、雨の天気を示し、下の新港日報の見出しが寒波の到来を知らせている。
体験版より先の101日目の展示用日めくり。日付、天気、ニュースが別の季節へ店を運ぶ。

まずは無料ブラウザ体験版の五日間で、仕入れ、営業、閉店の循環を試せる。後の季節、人物展開、一部の仕組みはこの範囲に含まれない。

2026年10月27日現在、公式サイトはWindows向けSteam早期アクセスを **2026年11月5日20時(台湾時間、UTC+8)**に予定している。対応言語は繁体字・簡体字中国語。モバイル完全版、端末間同期、コントローラー対応は今後の計画だ。最新情報は公式FAQとSteamで確認できる。

表紙は記事用の概念イラスト。本文の八枚は © 奧越設計有限公司。